アーカイブ
其の二
2015.4.10 

全数検査と抜き取り検査

 生産工程での漏れ検査(気密検査、リークテスト、漏洩試験)においても抜き取り検査が通用した時代もあったことをふりかえると、技術の進展ばかりでなく知恵の蓄積もあることに、ある種の安堵を覚えます。
 かつて、検査と名が付けば工程の中では余分なこと、生産の足を引っぱる食み出し工程と考えられていたことが今では生産行為の中の重要な一工程であると認識せざるを得ない時代になりました。
抜き取り加工、抜き取り組み立て、なんて言葉が存在しないように、検査においても全数検査でなければなりません。

抜き取り検査が通用する世界

 抜き取り検査の意味とその有効性の論理を理解しないまま、生産工程なら何にでも確率論的に大丈夫と言う流行の時代もありました。
抜き取り検査が有効なのは次の条件が満たされる場合に限ります。
生産物の利用者、使用者、消費者がある程度の数量を使い続けること、1個だけ使用することも、1回だけ活用することもない物であることが前提です。
一人のユーザーが使う量や回数や頻度の中で、不良品に出くわす確率的回数は心情的に許容範囲であるかどうか。メーカ側からすれば、NG品をつかませた不祥が営業販売に影響を及ぼさない程度のものかどうか、ユーザーが不良品をつかんだとき、軽い舌打ちだけで、それをポイと捨て、替り品を気軽に使ってくれる種類のものであるかどうか。
例え量使い対象品であっても、事故につながる可能性の高いもの、命にかかわるもの、大きな損失につながるおそれのあるもの等々、 そのことによって生産者や販売者が起訴されたり損害賠償を請求されたり、企業のイメージダウンにつながる畏れのある生産物に抜き取り検査など通用するわけがない。

全数検査はラインバランス

 製造工程での検査は、ちょうど背骨の軟骨のように各工程間に位置することによって互に不連続な工程の連続化を実現する役割があります。
 オンライン漏れ検査は、一次加工工程が次の二次加工工程につながる生きたラインバランスの管理体制を形成する仕掛け人です。